一心流鎖鎌術
一心流鎖鎌術とは、神道夢想流杖術と共に福岡藩(黒田家)に伝えられてきた武術で、念流の祖である念阿弥慈恩が流祖と言われております。
使用する鎌は一尺の両刃の鎌と手を覆う鉤が付いた独特の形状をしており、分銅は重さ三十匁、鎖の長さは一丈二尺に及びます。稽古に使用する物は危険を避けるため、分銅は綿を鹿革で包んだ物、鎖は麻紐、鎌も通常は木製の物を使用します。
柄の持ち方は、左右、順手、逆手、鉤の内外 と様々で、単に握るだけではなく、押さえや打付けにも用います。鎖の持ち方も、左右、両手があり、用い方も様々で、得物を搦め、受け、或いは捕縛に用いる事もあります。従いまして、鎖も時々により長く、あるいは短く使い分けます。手を覆う鉤も単に手を守るだけではなく、受けや押さえにも有効的に使用します。